飲食店経営②〜開業〜

開業資金はいらない!リスクを極限まで抑えて飲食店を開業する方法


飲食店を開業するためには、多額の開業資金が必要と言われています。その額は、業態にもよりますが、1000万円から5000万円程度が相場です。開業資金を抑えるための方法としては、中古の厨房機器を買うなど、打つ手はいろいろとありますが、それでもかなりの資金が必要となります。開業資金の調達方法としては銀行融資が思い浮かぶかと思いますが、事業計画が特に優れたものでない限り、簡単に融資はおりないのが近年の傾向です。そのため、各種補助金、助成金などの制度を活用したり、クラウドファンディングを利用する事例も見られます。しかし、いずれもタダでお金がもらえるわけではありませんので、大きなリスクを伴うことに変わりありませんし、できる限りリスクは最小限に抑えるに越したことはありません。そこで、極限まで開業資金を抑え、極めて低いリスクで飲食店を開業する方法について解説していきたいと思います。

 

多額の開業資金がかかると言われますが、具体的に何にお金がかかるのでしょうか。もちろん全てにお金はかかりますが、店舗取得、内装、厨房機器、このあたりが大きいところかと思います。これらを極限まで抑える方法を考えるのです。答えは、店舗を持たないテイクアウト型にするということです。テイクアウトでも店舗は必要、厨房機器も必要かと思いますが、これらを全てレンタルにするのです。既にある飲食店の厨房のほんの一部を間借りするという発想です。このような形態は、ゴーストレストランと呼ばれ、既に展開が広がりつつあります。具体的には、カレーの業態がこのスタイルにフィットしやすいため、カレー店を例に説明します。

 

テイクアウト型のカレー店を開業する場合、最低限必要なものとしては、カレー鍋1個とコンロ1口、炊飯ジャー1個とコンセント1口、そして炊飯ジャーの置けるスペースとカレーをよそるために必要な作業スペースです。細かい器具類は別途揃えるとして、この程度の準備ができれば開業できます。つまり、カレー鍋と炊飯ジャーを準備すれば、あとはコンロ1口と作業スペース一角を間借りさせてもらえる既存の飲食店を探すだけで開業できてしまうのです。間借りさせてもらう飲食店は、むしろカレー店でない方が、お互い競合しないのでよいでしょう。間借りさせていただく飲食店の店舗で販売しテイクアウトにすることもできますが、宅配というスタイルを取ることも可能です。今では、宅配のみを受託してくれる宅配代行業者もありますので、利用する価値はあります。

 

ゴーストレストランとしてカレー店が登場し始めて以降、はじめは発泡スチロール容器に白飯とカレーをよそった単純なスタイルが主流でしたが、その後、カップカレーと呼ばれるスタイルが登場し、更にはカレー以外のメニューも増えてきました。そして、ゴーストレストランのスタイルで開業し、顧客が増え、利益が拡大し、その資金を元に実際に店舗を構えることができたという成功事例もあります。つまり、ゴーストレストランを開業することを目的とするのではなく、あくまでも店舗を構えることを最終目標とし、開業資金という大きなリスクを極限まで抑えるために最初はゴーストレストランからスタートするという考え方なのです。

 

飲食店を開業したいという夢を持つ人は多くいますが、開業資金という大きなハードルを乗り越えられずに断念してしまう人も多くいます。開業資金をなんとか調達して開業の夢を叶える人もいますが、そこには大きなリスクが伴います。成功すれば確かに近道ですので、どのような方法を取るかは人それぞれの価値観によるところですが、このサイトが最も大切にするリスクの極小化という視点に立つと、飲食店開業のためにあえて最初は店舗を持たないという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。飲食店を開業したいという夢を持つ全ての人に、是非ともその夢を実現していただきたいと心から願っています。

 

リスクを極限まで抑えた飲食店の開業方法

 

ゴーストレストラン

・店舗を持たないテイクアウト型または宅配型

・既存飲食店の厨房の一角を間借り

店舗を構えることが最終目標

開業資金のリスクを極小化するためゴーストレストランから始める