投資商品の種類

リスクを抑えて確実に資産を増やす投資商品の選び方


投資商品と聞いて、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。これは、ファイナンシャルプランナーの仕事をする際、私がよく問いかける質問です。その答えとして特に多いのは、株、FX、不動産、この3つです。投資初心者の方ほど、この3つを答える確率が上がります。それでは、なぜこの3つを答える方が多いのでしょうか。それは、他の記事でも書きましたが、日本の投資教育が遅れていることが原因で、投資に関する情報を持っていないため、聞いたことがある、すぐに思い浮かぶものとして、この3つを挙げているのです。決して、無数にある投資商品の中から、何かしらの根拠を持って、この3つを選択している訳ではないのです。確かに、ニュースや新聞、雑誌などで、これらについてよく目にします。だからと言って、いざ投資を始めるとなった時、この3つの中から選ぶというのではあまりに根拠に乏しいと言わざるを得ません。投資について十分な教育を受けていないからこそ、投資で安全にお金を増やしたいのであれば、投資について十分に学習をして欲しいですし、十分に学習した上で、根拠を持って自分が取り組むべき投資商品を選択して欲しいと思います。

 

十分に学習をして欲しいと書きましたが、実はそこには深い意味があります。それは、「投資は学習するほど損をする」と言われているからです。矛盾していますよね。どういう意味かというと、なんとなく浅い知識だけを身につけて、つまり表面的な学習をしただけで投資に取り組むと、必ず失敗するという意味です。例えば、「株で1億円を作る方法」という雑誌の記事を見て、なんとなくその雑誌に書かれていることを真似してみたら、株価が暴落して大きく損をした、というような話はよく耳にします。雑誌に書かれていたことが嘘であるとは決して言いませんが、ある条件下において成功する可能性が比較的高いだけだということ、ある条件に当てはまらないのであれば買うべきではないということ、暴落した時の対処方法、利益が出た時の手仕舞いの方法、そして何を根拠にどういうロジックで株で1億円が作れると論じているかという核心、これらを全て理解した上で取り組まなければ、雑誌に書かれている通りには絶対になりません。これは私の経験上、断言できることです。このように、全てを理解した上で、株式投資に取り組むのかどうかを判断すべきということなのです。この、全てを理解するというのが、「十分に学習する」という意味で、雑誌に書かれていることに一通り目を通したというレベルが「不十分な学習」ということになります。不十分な学習では損をして、十分な学習があって初めて資産を増やすことができます。十分な学習というのは、多くの方が想像されるより、はるかに深い学習が必要です。投資で損をしてしまった経験のある方は、不十分な学習なのです。つまり「投資は学習をするほど損をする」という領域を抜け出せていません。それを乗り越え、更に深く学習することで、ようやく資産を増やせる領域に入るのです。当サイトでは、各々の投資商品について、リスクを極限まで抑えて確実にお金を増やしていくことに重点を置き、必要なポイントをピックアップして解説していますので、何か投資でお金を増やしてみたいと考えているのであれば、当サイトの全ての記事を読み、理解した上で、自分に合った手法を選択していただきたいと思います。

 

前置きが長くなりましたが、ここからは、主な投資商品に絞って、投資商品の種類について解説していきたいと思います。主な投資商品とは言え、さすがに前述の3種類では少なすぎますので、インターネット上も含め比較的情報が広がっている案件を選んで挙げたいと思います。

 

・株式

・FX(外国為替証拠金取引)

・不動産

・金、レアメタル(現物投資)

・投資信託、ファンド、ヘッジファンド

・バイナリーオプション

・仮想通貨

・預金(定期預金、外貨預金)

・保険

 

他にもたくさんありますし、それぞれの投資案件を、手法によって更に細分化することができますが、まずはこのあたりを一通り理解できればよいかと思います。個別の詳細については、各々の記事で解説していきますが、ここでは大きな分類について少し触れたいと思います。着目したいポイントは、「リスクの所在」と「スキルの所在」です。

 

(1)リスクの所在

投資には必ずリスクが付き物です。給料でお金を増やす場合、「労働対価」と呼ばれる通り、労働によりお金を得ることができます。具体的には、「自分の体」と「時間」を消耗または消費することで、それと引き換えにお金を得るということです。それに対し、投資というのは、資産(お金)を元手にしてお金を増やす方法ですので、消耗するのであれば、お金です。すなわち、「元本割れ」と呼ばれるお金が減ってしまうというリスクが必ずあるのです。そして、意に反してお金が減ってしまう場合、そこには必ず理由があります。これをリスクの所在と呼びます。リスクの所在は、大きく4つに分けられます。為替リスクカントリーリスク天災リスク信用リスクの4つです。

 

①為替リスク

為替リスクとは、為替変動により生じるリスクです。最も分かりやすいのは、FXと外貨預金です。FXや外貨預金で米ドルを所有していたとしましょう。その時、為替が円高(ドルに対して円が高い)方向に変動すれば、円を基軸に考えると損をしたことになります。これが為替リスクです。これは、海外の通貨が関係する投資商品であれば、全てに関わるリスクですので、海外の不動産やファンドなどにも全て当てはまります。また、金(ゴールド)の相場も、米ドルで価格が決まりますので、円を基軸に考えると、単純に金の価値だけではなく、為替相場の影響を受けます。このように、非常に多くの投資商品に影響してくるのが、為替リスクです。

 

②カントリーリスク

カントリーリスクとは、その国の経済状況により生じるリスクです。最も分かりやすいのは、海外株式や海外不動産です。新興国株式という言葉を聞いたことがあるかも知れませんが、どこの国の株式を購入するかにより、株式の対象となる企業業績だけでなく、その国自体の経済状況によって大きく左右されます。海外不動産も同じことです。このように、海外投資を考える場合に影響を受けるのが、カントリーリスクです。

 

③天災リスク

天災リスクとは、自然災害や通信障害などにより生じるリスクです。FXを裁量で、特にスキャルピングとよ呼ばれる手法で行っているトレーダーが気を遣っているのが、通信障害です。そのため、PC、インターネットの通信環境には、お金をかけてでもしっかりとした整備を行っています。決済したいときに、クリックをしても決済されないというような状態では、FXのスキル以前の問題です。また、通信障害は、いくらネット環境を整えたとしても、落雷によりストップしたり、通信会社のシステムトラブルによりストップする可能性もあります。こればかりは、自分の力で完全に防ぐことはできませんので、このようなリスクがあるということを理解し、リスクを受け入れた上で投資を行うことが大切です。

 

④信用リスク

信用リスクとは、運用を任せている業者や個人により左右されるリスクです。これは、自分でFXや株の売買をする上では、FX業者や証券会社の選択のみが対象となりますが、投資信託やファンドに投資する場合、直接的に資産の増減に関わってきます。投資信託やファンドは、自分自身で運用するのではなく、業者に運用の全てを任せてしまいますので、その業者が信用できるのか、その業者のスキルは確かなのかという点が全てと言えます。つまり、投資信託やファンドは、信用リスクがほぼ100%を占めると考えてもよい投資商品になりますので、極めて慎重な調査、研究、判断が必要となります。リスクがここまで一つに偏っている投資商品は珍しいため、複数の投資信託やファンドに分散投資をすることで、リスク分散を行う投資家がほとんどです。

 

このようにリスクの分類で考えると、先ほど挙げた投資商品も、新たな視点で分類できるかと思います。リスクを分類して考えることは非常に大切で、リスクが偏れば偏るほど、何かが起こった時に全てが共倒れになり一気に資産を失う可能性が増します。そのため、分散投資が大切であることは多くの人が何となく認識していることですが、リスクを分散しなければ意味がありませんので、リスクの所在という視点で分類を行い、いかにリスクが分散されたポートフォリオを組んでいくかが非常に重要です。

 

(2)スキルの所在

投資でお金を増やすためには、当然ながらスキルが必要になります。例えば、FXや株であれば、どのタイミングで買って、どのタイミングで売るか、という売買スキルです。このスキルがなければお金を増やすことはできません。そこで重要になるのが、誰がそのスキルを有している必要があるかということです。もちろん、自分自身で学習を重ね、売買スキルを身につけることができれば、そのスキルの所在は自分自身ですので、自分自身の力でお金を増やすことができます。しかし、他人のスキルで自分のお金を増やすこともできます。これがファンドと呼ばれるもので、ファンド会社にお金を預けて運用を任せることで、ファンド会社のスキルによってお金が増えたり減ったりします。この場合、スキルの所在はファンド会社になります。つまり、自分でスキルを習得するのか、他人に任せるのか、これが大きな分かれ道であり重要な選択となるのです。なぜこの選択が重要かと言うと、どちらを選択するかにより、何に時間を費やさなくてはいけないかが全く変わるからです。自分のスキルを高めるのであれば、そのための膨大な学習と経験が必要となります。他人のスキルに頼るのであれば、どこのファンド会社を選ぶのか、どのようなファンド商品を選ぶのかという、選択の目を養いファンド会社を探すための学習をしなくてはなりません。このように、スキルの所在によって、何に時間を費やすべきかが全く異なりますので、時は金なりと言うように、大切な時間を無駄にしないためにも、まずは当サイトで投資というものの全体像を把握していただいた上で、自分に合った投資を行うために時間を使っていただきたいと思います。

 

お金が増えるときも、減るときも、必ず理由があります。それはどの投資商品、どのような手法を選んだとしても同じです。その理由、ロジックを理解して、そうなる確率を知った上で、初めてその投資商品のことを知っていると言えます。ぜひとも、当サイトの記事が、リスクを極限まで抑えて確実にお金を増やしていくための一助となればと思っています。リスクを抑えて確実にお金を増やすことに重点を置いて、可能な限りの情報をお伝えしますが、最終的な投資商品の選択や、投資を行うかどうかについては、必ずご自身の判断にてお願いします。

投資商品→十分な学習をし根拠をもって選択する

<投資商品の種類>

・株式

・FX(外国為替証拠金取引)

・不動産

・金、レアメタル(現物投資)

・投資信託、ファンド、ヘッジファンド

・バイナリーオプション

・仮想通貨

・預金(定期預金、外貨預金)

・保険

<投資商品の分類>

(1)リスクの所在

①為替リスク

為替変動により生じるリスク

②カントリーリスク

その国の経済状況により生じるリスク

③天災リスク

自然災害や通信障害などにより生じるリスク

④信用リスク

運用を任せている業者や個人によるリスク

(2)スキルの所在

自分のスキルか他人のスキルか

スキルの所在により時間を費やすところが異なる