仕事の選び方

〜好きな仕事と向いてる仕事〜 お金に困らない賢い仕事の選び方


給与所得の特徴は、安定収入であるという最大のメリットを持つ一方、時間対価が安いというデメリットを有します。これこそが、会社員が給料が上がらないと感じている要因となっていますが、ビジネスの基本に立ち返れば、当然のことと言えます。会社員の給料が上がらない理由と、その仕組みについては、別の記事で解説していますので、ぜひ先にそちらから理解をしていただきたいと思います。

>会社員の給料が上がらない理由を知る

 

繰り返しになりますが、会社員と自営業を比較した場合、会社員の最大のメリットは「安定収入」、自営業の最大のメリットは「時間対価が高い」という点にあります。そのため、収入面に焦点をあてると、会社員と自営業の両立をいかに考えていくか、すなわち、会社員と自営業の「いいとこ取り」こそが、リスクを抑えながらお金を増やしていく上で、最も理にかなった効率的な選択なのです。収入面だけに焦点を絞り、効率性で物事を考えればこのような結論になりますが、そもそも仕事を選択する上では、収入以外の要素についても考えるべきポイントがたくさんあります。その代表的な視点としてよく話題に上がるのが、好きか嫌いか、向いてるか向いてないか(できるかできないか)ということです。自分が好きな仕事なのかどうかということ、そして自分の性格やスキルを考えたときに向いている(できる)仕事なのかどうかということです。好き嫌いで仕事を選ぶのか、できるできないで仕事を選ぶのか、この視点からの選択も収入面と同じくらい大切で、成功できるかどうかを左右する非常に重要なポイントとなります。そして、結果的に収入面にも結びついてきますので、無視できない重要な選択です。好きなことを仕事にしたい、でも好きな仕事がない、好きな仕事が見つかっても給料が安い、このような声をよく耳にしますが、正しい選択をすることでこれら全ての問題は解決することができるのです。それでは、「好きなこと」と「できること」に焦点をあてて、最も堅実な仕事の選び方について、解説していきたいと思います。

 

 

まず、仕事を選ぶ上での軸として、好き嫌いの軸とできるできないの軸をを置き、上図のようなマップを描いて考えます。右に行くほど好き、上に行くほどできるということですので、右上の象限にある仕事をするのが最も理想的であることは、誰が見ても明らかです。 しかし、そう簡単にはそのような仕事には出会えませんので、まずはそれぞれの軸の特性について整理します。好き嫌いの軸ですが、好きな仕事ほど継続できるという特性があります。好きだから続けられるというのは当然ですし、逆に嫌いであれば続かないというのも当然のことです。ただし、好きだから成功できるかと言われると単純にそうとは言い切れません。もちろん、ビジネスで成功する唯一無二の方法は継続することなのですが、諦めずに継続すればいずれは必ず成功できるという意味であって、初めから簡単に成功できるという意味ではありません。そして、図を見ると分かる通り、成功できるかどうかは、好き嫌いの軸とは直接関係ないのです。つまり、好きな仕事をすればすぐに成功できるということでは決してないということです。

 

一方、できるできないの軸を見てみましょう。できるというのはどういうことかと言うと、自分自身ができると思っているというよりは、他人から見て、自分はどんなことができる人間だと思われているかが重要です。できると思われていれば、仕事の依頼が来ます。つまり需要がある、必要とされている、ということなのです。これは非常に明確に、現実として表れます。おそらく、多くの方が経験しているのではないかと思いますが、例えば、会社員として仕事をしている中で、「細かい作業は得意そうだからこれ組み立てといて」とか、「力持ちだからこれ運んどいて」とか、「文章書くの上手だからこの資料作っといて」というようなことを、上司に言われたことはないでしょうか。これは、得意そうとか、できそうとか、上司からそのように思われているからこそ仕事を頼まれているのです。好き嫌いとは全く別の軸です。細かい作業をやればできるだけであって、別に細かい作業が好きではないケースも多いのではないでしょうか。力はあるから運ぶことはできるけど、力仕事は好きではないというケースも多いのではないでしょうか。このように、好きなこととできることは、意外と一致しないことが多いのです。そして、できることであれば、需要があるということですので、仕事がたくさん来ます。従って、ビジネスとしては成功しやすいと言えます。つまり、好きなことを仕事にしても、すぐに簡単には成功できないことが多いのですが、できることを仕事にすると、多くの仕事が舞い込んできて、すぐに成功できる可能性が高いのです。これが、好き嫌いの軸とできるできないの軸の、それぞれの特性になります。

 

 

それでは、会社員としての仕事、自営業としての仕事、それぞれどのような仕事を選択して、それぞれのいいとこ取りをしていけばいいのでしょうか。まず、会社員の場合ですが、会社員というのは、安定収入であることが最大のメリットで、金銭面での保険をかけた働き方になりますので、極力安全に、極力リスクを抑えて、確実に安定的に給料を得続けることを第一に考えなければ意味がありません。だとすると、当然ながら、成功できる可能性が高い仕事を選択すべきであり、それはつまり「できること」ということになります。「好きなこと」ではありません。できることというのは、先ほども説明した通り、好きではないケースが多い為、上図のように4象限に分けた場合、左上に位置する可能性が高くなります。その場合、最も大きなデメリットは、継続することが大変であるということです。しかし、会社員である以上、会社の強制力があるため、給料をもらうためには、嫌でも継続せざるを得ないのです。つまり、会社員として「できることを」を仕事にすることで、強制的に成功できる環境が整っているという訳です。

 

次に、自営業の場合ですが、金銭面における自営業の最大のメリットは時間対価が高いということなのですが、やはり好きなことができるということこそが、自営業の特権ではないでしょうか。自営業だからこそ、例え失敗したとしても、好きなことを自由にできるのです。ただ、好きなことを自由にできるが故に、需要のないビジネスを追い続けたり、自分個人の間違った判断でビジネスを展開してしまうことも少なくなく、すぐに成功できるケースは稀というのが実情です。好きなことと、世間から求められていることは、一致しないケースが多いのです。つまり、上図の4象限で言うと、右下に位置する可能性が高くなると言えます。一方で、自営業で好きなことを仕事とする最大のメリットは、好きだからこそ、継続できるということです。と言うより、自営業で嫌いなことを仕事としても、会社員のように会社からの強制力がありませんので、よほど意思の強い人間でない限りは、間違いなく続けることは難しいと言えます。そして、好きなことを仕事とすれば継続できますので、先ほども説明した通り、諦めずに継続すれば必ずいずれは成功することができます。時間はかかるかもしれませんが、いずれは成功できます。少ない拘束時間で、高い時間対価を得ることができるようになります。このように、総合的に考えると、ある程度長期的な視点を持った上で、自営業として「好きなこと」を仕事にすることが賢明と言えるでしょう。

 

ここまで説明してきたように、会社員としては「できること」を仕事とするべきであり、自営業としては「好きなこと」を仕事とするべきと言えます。会社員としてできることを仕事とした場合、確実に成功できる可能性が高く、その成果はすぐに表れます。つまり、即効性があります。一方、自営業として好きなことを仕事とした場合、すぐには成功できないケースも多いのですが、継続することができるため、いずれは必ず成功できます。つまり、遅効性と言えます。このように、会社員として「できること」を仕事とする場合と、自営業として「好きなこと」を仕事とする場合、それぞれのメリットが完全に異なりますので、逆に、これらを組み合わせることの親和性は極めて高く、組み合わせることにより「いいとこ取り」が可能で、デメリットを補完し合うことが可能なのです。また、親和性が高く「いいとこ取り」のできる組み合わせだからこそ、この組み合わせで仕事を続けていくことで、会社員として強制的に行っていた嫌いな仕事が次第に好きになってくるという事例もよく聞きますし、自営業として失敗しながらも好きだからこそ続けてていたビジネスがいずれ成功できるようになってくるのです。つまり、最も理想とする、4象限の右上の象限で仕事ができるようになるのです。初めから右上の象限に当てはまる仕事を見つけることは非常に難しく、そのような仕事に巡り合うのは運としか言いようがないのですが、左上の象限を会社員として、右下の象限を自営業として両立させ、いいとこ取りをすることで、必然的に右上の象限で仕事ができるようになる可能性が十分にあるのです。

 

以上のように、会社員と自営業の両立について、それぞれにおいて選ぶべき仕事とそれらの親和性について解説してきましたが、これこそがまさに最高の「いいとこ取り」です。以前の日本においては、社会の仕組み上、会社員と自営業の両立というのは難しい面が多々ありましたが、副業が認められる時代になってきた現在において、最も理にかなった選択ができるようになってきているのです。ダブルワークが全てを解決する答えではないかもしれませんが、このような理にかなった働き方を選択肢から完全に外してしまうのは非常にもったいないことだと思いますので、是非一度、真剣に考えてみることをお勧めします。そして、真剣に考えた上で、自分の人生設計に最もフィットする仕事の選択をしていただければ思います。 

会社員と自営業の両立「いいとこ取り」

仕事の選択

・好きか嫌いか

・向いてるか向いてないか(できるかできないか)

→4象限のマップで考える

好きな仕事=継続可能

できる仕事=需要あり、成功できる

 

<会社員>

「できること」を仕事にすべき

強制的に成功できる環境が整っている=即効性

<自営業>

「好きなこと」を仕事にすべき

継続することで成功できる=遅効性

これらの「親和性」非常に高い

将来的に右上の象限で仕事ができる可能性が高い