転売

転売とは?ビジネスの真髄を徹底解説


転売というビジネスを耳にしたことは多いかと思いますが、転売とは何かを正しく説明することはできるでしょうか。転売について書かれた情報を見ると、インターネットビジネスとして扱われることもあれば、リアルビジネスとして扱われることもあります。これはいずれも正解で、インターネット上だけで完結する転売ビジネスもあれば、リアルで商品の売買が発生するビジネスもあり、そのビジネススタイルによって、どちらにも分類される場合があるということです。つまり、それほど手法の幅が広いビジネスなのです。だからこそ、転売を一言で正確に説明するのは難しいのです。

 

このように、幅広く展開されている転売ビジネスですが、一言で説明すると、転売とは「商品を安く仕入れて高く売るビジネス」のことです。つまり、商品の売買を行うビジネスのほとんどは、転売ということになるのです。商品を安く仕入れて高く売る、その差額が利益になりますので、これこそが全てのビジネスの基本です。いかなるビジネスにおいても基本の考え方になるため、何かビジネスを始めようと考えている人にとっては、転売こそが非常に優れた実践教材になりますので、ぜひ取り組むとよいかと思います。ただし、これはあくまでもビジネスの基礎を学ぶための学習として取り組むという意味です。

 

転売で稼ぐ、というようなフレーズをよく目にしますが、転売というビジネスは、お金だけを目的に片手間で稼ぐことに向いているビジネスではありません。完全に労働対価のビジネスになりますので、多くの利益を出すためには、それに比例して多くの労力が必要となります。ビジネスの基本ですので、転売を経験することにより、全てのビジネスに活きてきますが、そこには多くの労働を伴いますので、転売である程度の学習と経験を積んだら、自らが取り組もうとしているビジネスに労力をシフトすべきです。全てのビジネスに活かされる、転売を通じて学ぶべきポイントは、3つに集約することができます。

 

 

・扱う商品(何を扱うか)

・仕入れ方(どのように仕入れるか)

・売り方(どのように売るか)

この3つだけです。これらをどのように組み合わせるかだけで、ビジネスは無限大に広がります。しかし、この3つを一度に身につけるのはなかなか難しいことですので、まずはじめは、不用品転売から始めることをお勧めします。これは、自分の私物で不要になったものを売るということです。これにより、3つのポイントのうち、「扱う商品」と「売り方」だけを学ぶことができます。ヤフオク、アマゾン、メルカリなどを利用し、既に不用品を売った経験のある方は感覚的にわかるかと思いますが、どのような商品が売れやすいのか、また、商品の種類と売るサイトの相性などもわかってくるのではいでしょうか。これこそが、ビジネスにおいて極めて重要な感覚なのです。自分の不用品を転売するため、仕入れる必要はありませんので、「仕入れ方」については不用品転売では学ぶことができませんが、ここで得られた感覚をベースにして、次のステップとして仕入れ方を学びます。転売は、安く仕入れて高く売るビジネスですから、扱う商品、仕入れ方、売り方の相互関係が重要になってきます。仕入額が販売額より安いのは当然のことですが、その差額が利益になりますので、いかに安く仕入れるかいかに高く売るかということが、ビジネスを行う上で考えなければならないポイントになります。

 

それでは、どのようにして高く売るかという点に着目して考えてみましょう。どのようなものが高く売れるかということですが、需要に対して供給が少ないものが高く売れます。その需要と供給のバランスが著しく需要に偏った時、プレミア価値が付きます。いかにしてプレミア価値の付く商品を仕入れるか、またはいかにしてプレミア価値が付くまで在庫保有するかなど、様々な戦略が考えられますが、結局のところ、どんな商品をどのように仕入れどのように売るかの相互関係を考えることに集約されるのです。ここで具体的な事例をひとつ紹介したいと思います。これは私が昔行っていたチケット転売の例になりますが、現在はチケット転売自体がほとんどの場合条例で禁止されていますので、あくまでも昔の一例として考えてください。ミュージックアーティストのライブチケットの転売を行っていたのですが、まず前の方の席のチケットが、チケットショップやオークションなどで高く売れることを事前調査で確認しました。そして次に、どのようにすればそのチケットを入手できるかを考えたのです。実際にチケットを購入してライブに行き、前の方の客席にいる人たちに、どのようにチケットを入手したのかをひたすら聞いて回りました。その結果、約半分の人から同じ答えが返ってきたのです。それは、ファンクラブでした。しかし、詳しく情報を聞くと、ファンクラブでも抽選に外れれば入手できないこともあるし、後ろの方の席が当たってしまうこともあるということでした。後ろの方の席は原価割れで販売されている事例を事前調査で確認していたため、原価割れしないライブのチケットをファンクラブで入手することが一番確実であると考えました。そこで、後ろの方の席でも原価割れしないライブとは何かについて研究しました。その結果、人気アーティストが小さい会場で行うライブがそれに該当することがわかりました。この法則は絶対でした。あとは、この条件に合致する会場でのライブのみに絞り、人気アーティストのファンクラブに入会して、チケットを仕入れました。この方法で、ライブの多い時期には月に50万円以上の利益を上げることができていました。このように、需要と供給のバランスを考え、仕入れと販売の手段を研究することで、いかなるビジネスにも応用ができます。

 

例えば、日本では入手の難しい海外の商品を仕入れ、日本で売るという手法があります。その商品が日本で売れることがわかっていれば、日本においては需要に対して供給が極端に少ないわけですから、現地に行って買い付けてくることもできますし、十分な利益が見込めるようであれば、現地に仕入れ担当者を駐在させて組織的にビジネスを行うこともできるのです。この考え方が、輸入転売ビジネスになります。輸出転売ビジネスも、考え方は全く同じです。日本の商品は海外で人気がありますから、海外で売れる日本の商品を選定し、インターネット上で販売するのです。以前、アマゾン輸出転売の実践者が異常に増えた時期がありました。私も実際にアマゾン輸出転売を行い、実験をしたことがあります。転売ビジネスというのは、商品を仕入れ、その商品を販売するわけですから、当然ながら在庫を大量に抱えるというリスクがあります。そのため、売れなければ赤字になることもありますし、在庫の保管にも苦慮します。しかし、アマゾン輸出転売は、無在庫で実践できるという大きなメリットがあります。どういう仕組みかと言うと、日本のアマゾンで販売されている、米国で売れそうな商品の価格を確認します。そして、米国までの送料を加えた額に更に利益を乗せた価格で、米国のアマゾンに出品します。注文が入ったら、日本のアマゾンで落札し、国内に商品転送業者というのがありますので、商品転送業者に直接納品し、商品転送業者から米国の購入者の住所に海外発送させるのです。商品転送業者に支払う手数料もありますので、その金額も、当然販売価格にはじめから乗せておきます。このような仕組みで、完全に無在庫で、完全にインターネット上だけで、輸出転売事業が完結します。アマゾン輸出転売ビジネスの概念図は、以下に示す通りです。

 

 

 

 

 

 

具体的に取り扱った商品の一例としては、日本から米国のアマゾンに出品する場合、日本のアニメのフィギュアなどが非常によく売れました。このように聞くと、簡単に稼げるのではないかと感じるかも知れませんが、冒頭で転売は労力がかかるため学習を目的に行うのがよいと説明した通り、非常に大変です。まず、売れる商品というのは常に変化しますので、商品の発掘に時間がかかります。ひたすら数多く出品すればいずれは売れるという、数打てば当たるというような考え方もありますが、出品数が増えると価格管理が異常に大変になります。つまり、ある商品が日本のアマゾンで購入できる金額というのは常に変動していますので、米国で出品している価格よりも、日本で購入できる価格の方が高くなってしまったら赤字になります。そのため、常に日本のアマゾンで購入できる価格をチェックしながら、米国で出品する金額を調整しなくてはならないのです。当然、商品の数が増えれば、この作業だけでとてつもない時間が取られます。また、米国の顧客を相手にするわけですから、購入者から質問や問い合わせなどが来ることもあります。当然英語です。英語が得意な人であれば問題ないのかもしれませんが、多くの日本人にとっては、それも一苦労なのではないでしょうか。実際に私も実践している中で、何度か質問が来ましたので、翻訳サイトなどを活用して、苦労しながら対応しました。このように、無在庫で、インターネット上のみで完結はしますが、非常に労力のかかるビジネスなのです。

 

学習のための転売は、ビジネスの基礎が学べますので非常にお勧めしたいのですが、片手間感覚で転売を始め、そのまま利益を伸ばしていこうと考えると、真剣に努力と時間を費やし続ける覚悟が必要です。私の友人で、そのような覚悟を十分に持った上で転売の世界に飛び込んだ人がいますが、極めて多忙な日々を送っています。しかし、はじめからその覚悟があってのことでしたので、様々な工夫により利益率を大幅に上げることに成功し、多忙であることには変わりませんが、大きな額の利益を出し続けています。利益率アップのための工夫というのは、商品や価格の差別化を行うということです。具体的には、製造元から独占販売権をもらうオリジナル商品を開発する製造元とコラボ商品を開発する製造元から特別価格で卸してもらう、などです。これらの方法を聞いてわかるかと思いますが、片手間の転売の域を完全に超えています。どう見ても、立派なビジネスになっています。つまり、転売を突き詰めていくと、結局は自分自身のビジネスを持つことにたどり着くのです。オリジナル商品の開発などは、完全に転売の領域から大きく飛躍しています。このように、結局のところ、転売を学習教材として、自分のビジネスを作り上げていくのです。

 

具体的な事例を挙げながら説明してきましたが、自分のビジネスを始める上での実践教材としては、転売は最適と言えます。特に小売ビジネスを始めたいと考えている場合は、絶対に転売から入るべきと言えます。しかし、副業レベルの片手間で始めた転売で、そのスタイルのまま大きく利益を伸ばしていこうと考えると、あまりの大きな労力に、続けられなくなる場合がほとんどです。このような作業が、相当好きでなければ難しいと思いますし、ましてや権利収入化を見据えて考えた場合は、外部委託をする以外に手段がなくなります。それだけの苦労をして立ち上げ、外部委託までして無理に権利収入化を目指すのであれば、他にも権利収入につながりやすいビジネスモデルはたくさんありますので、非効率的です。転売ビジネスは、全てのビジネスの基本であり、極めて素晴らしいビジネス実践教材ですので、その特性を十分に理解した上で、転売を通してビジネスを学んでいただければと思います。

転売=商品を安く仕入れて高く売るビジネス

全てのビジネスの基本

ビジネスの基礎を学ぶための優れた実践学習教材

<学習ポイント>

・扱う商品(何を扱うか)

・仕入れ方(どのように仕入れるか)

・売り方(どのように売るか)

相互関係が重要

高く売れる商品:需要>供給

実践例)不用品転売、輸入転売、輸出転売

非常に労力のかかる労働対価のビジネス

→結局は自分自身のビジネスを作り上げていく