権利収入につなげることができる特に優れたビジネスモデルとしては、「フランチャイズ」と「マルチレベルマーケティング(MLM)」の2つが挙げられます。MLMは、ネットワークビジネスと呼ばれることもあります。これらの概要については別の記事で解説していますので、まずはそちらを理解してください。
いずれのビジネスモデルも、親会社側の立場で考えられたものですので、本来は親会社側の立ち位置で権利収入を得るのが最も理にかなった方法なのですが、MLMに限っては、親会社でなくても権利収入が得られる可能性があります。つまり、販売員としてMLMの会社に代理店登録をし、販売活動により成果を上げることで、権利収入化を目指すことが理論上可能なのです。ただし、ここで「理論上」と書いたことには意味があります。代理店登録をして活動をすれば、誰でも権利収入が得られるという軽い気持ちで登録をし、結局続けることができずに活動をやめてしまう人が非常に多くいますので、あえて理論上と表現しました。裏を返せば、理論通りにいけば権利収入が得られるわけですから、その理論を解明していけばいいのです。実は私も、以前MLMの会社に代理店登録をして活動し、一定の収入を得ていましたが、ある事情から活動の継続をやめたという経験があります。そのため、MLM業界における多くの成功者、そして続けられずに活動をやめた多くの人たちを見てきました。その結果、成功するための理論は、意外と明確かつシンプルであることがわかりました。成功するためには、4つの条件があるのです。それは、会社、商品、グループ、スキルの4つです。そこで、この4つの条件について、詳しく解説していきたいと思います。
(1)会社
会社とは、どこのMLM会社に代理店登録をするのかということです。この選択は、次に挙げる「商品」と密接に関連してきますので、商品に関する部分以外について、ここでは説明したいと思います。商品以外でMLMの会社を選ぶポイントは非常に単純で、実績があり信頼の置ける会社であるということです。この先長年にわたり共に仕事をしていく会社になりますので、途中で廃業してしまったり、方針が大幅に転換されてしまっては困るのです。そのため、できたばかりのMLM会社を選択してしまうと、過去のデータが全くありませんので、未来を予測することも極めて困難であり、リスクが非常に高くなります。MLM業界は、非常に回転の早い業界で、毎年次々と新しい会社が生まれては消えを繰り返しています。場合によっては、一度消えても会社名と商品を変えて、再び生まれてくるというケースも珍しくありません。一時的な収入を目的にするのではなく、権利収入化を目的にMLM会社に代理店登録するわけですから、生涯にわたって権利収入を得ることができなくては意味がありません。従って、いかに将来においても安定して事業を続けることができる会社を選ぶかは極めて重要で、少なくとも過去長年にわたる実績は大きな判断材料になります。いつ頃創業したのか、売上や登録者数は安定して成長を続けているか、創業時から会社の基本的な方針は変わっていないか、報酬プランの仕組みが途中で大きく変わっていないか、レンタルオフィスではなくできれば自社ビルを保有し地に足つけた経営をしているか、などが着目すべきポイントになります。これらを満たす会社となると、必然的に王手企業ということになります。MLM会社は、売上を公表していない場合も多いのですが、ネット上や雑誌などに推定売上金額も含めランキングが掲載されていますので、それらを参考にするとよいでしょう。年によっても、サイトによっても、ランキングは若干異なりますが、トップ10に入ってくるような会社は、概ねどのランキングデータを見ても同じ顔ぶれですので、ランキング上位の会社について調査をすれば問題ないかと思います。最低でもトップ20以内に常時名前が挙がり続けている会社を、検討の対象にするとよいでしょう。
(2)商品
どのような商品を選ぶかということですが、結局のところ、どのような商品を扱っているMLMの会社を選ぶべきかということになります。それでは、どのような商品がMLMのビジネスを行う上で適しているのでしょうか。それは、商品が本物であるということです。形だけの作られた商品ではなく、世の中に届けたいという思いから開発された商品であるということです。つまり、普通のメーカーと同じなのです。MLM会社だからと言って何も特別なことはありません。実際のところ、MLMの会社を作りたくて商品を後付けで開発した会社が多くあります。MLMの会社を作ることが目的の大前提となっており、MLMありきで商品を開発していきます。これでは、普通のメーカーとは商品開発の視点が全く異なってしまいます。そうではなく、大前提として世の中に届けたいという思いでオリジナル商品を開発し、その商品をいかに売るかという手段としてMLMという手法を採用したという順序であるべきで、そのような会社、そのような商品を選ぶべきなのです。これは、会社誕生の経緯、創業者の思いを調べることで、知ることができます。そもそも、オリジナル商品を売るための手段は、大きく分けてたったの2つです。それは、マスコミとクチコミです。マスメディアを利用して商品を広く認知させるマスコミと、人から人へ実体験をもとに商品を伝えていくクチコミです。マスコミの利用は爆発力がありますし、大きく売上を伸ばすことができますが、効果は一過性です。テレビCMがその代表例ですが、どのような商品であっても、コストをかけてテレビCMを打てば、間違いなく売上は一時的に伸びるのです。クチコミは商品が本当にいいものでなければ売上を伸ばすことができませんが、商品が本当に消費者に受け入れられ支持されれば、ジワジワと売り上げは伸びていき、長く売れ続け、息の長いロングセラー商品となります。これら2つの販売手段のうち、オリジナル商品に自信があり、あえてクチコミにより息の長いロングセラー商品を育てたいという思いから、MLMを採用したという会社を選ぶべきなのです。商品を大切にするがゆえにクチコミを採用するという思考順序です。マスコミとクチコミの考え方は、マーケティングの基本です。通常、メーカーはこのような考え方で大切なオリジナル商品の販売戦略を考えます。MLMという形態は取らないまでも、マスコミは使わず、クチコミで広めていくという戦略は多々あります。このように、クチコミの一つの手段として、クチコミをより効率的に利用する仕組みとして、MLMという優れたマーケティング戦略があるのです。
それでは、どのようにして、世の中にオリジナル商品を届けたいという思いを大前提としてMLMという形態を選んだ会社を見分ければいいのでしょうか。さきほど、会社誕生の経緯、創業者の思いが重要であると説明しましたが、よりシンプルに見分ける方法があります。それは、たったひとつのメイン商品があることです。必ずしもひとつしか商品を扱っていないということではなく、他にも多くの関連商品を取り扱っていて全く問題はないのですが、会社が誕生するに至ったひとつのメイン商品があることが重要です。また、関連商品も多く取り扱っている場合でも、メイン商品と深い関連性があり、メイン商品を軸とした商品展開であることが重要です。何でも揃う総合商社ではないということです。商社ではなく、メーカーですから、必ず原点となる商品があり、そこに強みがあり、そこに技術やノウハウがあるのです。このように、たったひとつの原点となる商品が何かを特定できることがポイントであり、最もシンプルに見分ける手段になります。
また、どのようなMLMの会社を選ぶべきかという話につながるのですが、いくらオリジナル商品がこれらの条件を満たす素晴らしいものであったとしても、そのメイン商品を自分が好きになれなければ、そのMLM会社を選ぶべきではありません。権利収入化を目的に、ビジネスとして代理店活動を続けていく以上、自分自身も購入し、使用し続ける必要がありますので、好きでなければ続けるのは正直難しいですし、ましてや人に販売することなどできません。ビジネスと割り切れば可能であるという意見もありますが、自営業という立場で事業を行うわけですから、好きでないビジネスを続けることには限界がありますので、好きになれないのであれば、初めからそのMLM会社を選ぶべきではないと思います。自営業として行う仕事は、好きなことをやるべきであるという考え方については、別の記事でも詳しく解説していますで、ぜひ参考にしてみてください(>自営業として選ぶべき仕事について知る)。取り扱っているメイン商品が本当にいいもので、自分自身も愛用でき、心から人に勧めることができるのであれば、販売するのも大変ではありませんし、楽しく仕事を続けることができます。MLMは決して楽して稼げるビジネスではありませんが、メイン商品が何かわからず、商品数ばかりが多い中で代理店業を行う場合と比べれば、明らかにやるべきことが明確で、活動はしやすいと言えます。
(3)グループ(組織)
代理店として活動していく上で、どこのグループに所属するかということです。MLMのビジネスに携わったことのない人にとっては、なかなか理解の難しい点かとは思いますが、極めて重要なポイントになりますので、詳しく説明したいと思います。まず、条件に合致したMLM会社を選んだとして、実際に登録をする場合、誰かの下に付く形で代理店登録をするのですが、当然自分が付く人の上には更にアップラインが存在するわけで、樹形図のような形である程度の人数による塊、つまりグループのようなものが存在します。このグループのことを組織と呼ぶこともありますが、組織を拡大していくためには、グループ全体として活動を盛り上げていきます。これは、登録をするまでなかなかわからないことなのですが、組織によって、年齢層、男女比、雰囲気、方針などが驚くほど異なります。やるべき仕事の内容が決められていたり、ノルマがあったり、販売する商品やプランなどを制限しているような組織もあります。ミーティングへの参加が必須であったり、アップラインへの定期的な報告が義務付けられている組織もあります。食事会や旅行などのイベントが設定されている組織もあります。何が正解というわけではありませんが、組織の活動が活発に行われていて、所属しているメンバーが積極的に盛り立てている雰囲気が感じられる組織を選ぶことが重要です。つまり、生きた組織ということです。また、この条件を満たした上で、その組織の特性が自分に合っているかどうかが重要です。繰り返しますが、組織の活動が活発に行われていて盛り上がっている雰囲気があること、自分に合っていること、この両方を満たす組織でなければいけません。組織の活動が活発でなければ、絶対に成功できません。個人活動で成功している人は見たことがありませんし、自分自身のダウンラインを増やしていくわけですから、当然組織としての活動をせざるを得ません。そして、自分に合っていない組織であれば、どれだけ成功者の多い組織であっても、自分自身が成功することはできません。
MLMで成功するための4つの条件として解説していますが、その中でも、どこのグループ(組織)に所属するかということは、最も重要と言っても過言ではありません。MLMの会社選びも非常に重要ではありますが、どこの組織に所属するかは、更に慎重に考えて欲しいと思います。この選択が、将来を左右します。脅すつもりは全くありませんが、それほど重要だということです。会社選びが終わったら、組織選びに時間を費やすようにしてください。説明会に行ったり、その後のお茶会に行ったりすることで、複数の組織のメンバーと知り合う機会も出てくるかと思います。その際、なるべく多くの異なる組織のメンバーと知り合い、それぞれの組織の活動を体験しに行くのがよいと思います。実際に体験することで、それぞれの組織のメンバー構成や雰囲気、方針などがわかってきます。これらを肌感覚として知った上で、慎重に選ぶのがよいでしょう。時々、誰かの紹介がなければ説明会に参加できないというMLM会社もありますが、そうなると紹介者の組織以外に所属するという選択肢を断たれてしまいますので、そのようなMLM会社は対象から外すのが賢明です。たまたま友達に誘われたから友達と同じ組織で登録する、という選択はしてはいけません。友達とは確かに仲良く活動できるのかもしれませんが、成功することを第一に考えるのであれば、友達と二人で仲良くやることではなく、所属する組織全体の特性で判断すべきなのです。ここを間違ってしまうことで、活動が続かなくなるケースが、実際のところ最も多いのです。
(4)スキル
MLMのビジネスを行う上で必要となるスキルは、8割が教育スキル、2割が営業スキルになります。成功して権利収入を築くためには、これら両方が必要不可欠です。これらのスキルを既に持ち合わせているか、またはこれから習得する意欲があるかが必要になります。大きく成功することを考えるのであれば、特に教育スキルは重要です。営業力で自分自身が商品を販売することができても、これはMLMビジネスですので、自分のダウンラインのメンバーにも商品を販売してもらわなくては、権利収入化はできません。つまり、ダウンラインのメンバーも成功できるように、いかに教育できるかというビジネスなのです。これが、8割が教育スキルと言える根拠です。MLMは教育ビジネスであると断言している人もいますが、この考え方は私は間違っていないと思います。スキルがなくても誰でもできるという話もよく聞きますが、これが事実であれば、MLMに登録した全員が成功しています。実際は全く逆で、成功者はごく一握りです。教育と営業というビジネスに対し、自信も学習意欲も持てないということであれば、MLMというビジネスは適性でないので登録しないという選択をすることも大切です。たった一度の人生ですから、無駄な時間は費やすべきではありません。
そして、マインド面の話になりますが、本気で取り組む覚悟が必要です。MLM会社の商品を購入している方は、大きく、愛用者と事業者に分けられます。愛用者というのは、単純にその商品が好きで購入し続けているだけで、ビジネスとしては考えていない人のことで、代理店としての活動は一切しません。さきほど説明したように、本物のいい商品なのであれば、実際のところ愛用者もかなり多くいます。一方、事業者というのは、権利収入化を目指して代理店活動を積極的に行う人のことを指します。ここでは権利収入化を目指すビジネスとしての解説をしていますので、当然、事業者として活動することになりますが、はっきり言って、事業者として活動することは楽ではありません。非常に厳しい世界です。権利収入が構築できれば、つまり成功者と言われるレベルに達することができれば、その先は思い描いた理想の働き方、理想の収入形態が得られますが、それまでが本当に大変です。ですので、本気で取り組む覚悟が必要です。この意思が弱ければ、絶対に権利収入を築き上げることはできませんので、十分に理解して欲しいと思います。
少し話が脱線しますが、報酬プランについて、どのような報酬プランの会社がいいかという議論がよくありますが、極論を言うと、上記4つの条件を全て満たしているのであれば、どのような報酬プランでも構いません。当然ですが、報酬対象となるダウンラインの階層が有限であることは大前提です。「無限連鎖講の防止に関する法律」という法律により、無限に対象となる階層が続いてはいけないという決まりがありますので、これは大前提になりますが、この大前提を満たしていない会社が上記4つの条件を全て満たすはずがありません。ですので、結局のところ、報酬プランはあまり深く気にする必要はありません。
以上のように、MLMで成功するための4つの条件について解説してきましたが、これら4つの条件を全て満たすことができれば、かなり高い確率で成功できると言えます。冒頭に書きましたが、MLMは理論上、権利収入化が可能なビジネスです。しかし、その理論とは、多くの場合報酬プランをもとに語られます。つまり、机上の空論なのです。さきほど説明した通り、成功できるかどうかと報酬プランは関係ありません。そのため、理論通りにはいかないのです。この理論を成り立たせるためには、これら4つの条件を満たす必要があり、逆にこれら4つのうち1つでも満たしていなければ、高い確率で成功できません。奥の深いMLMというビジネスモデルですが、成功するためのポイントは極めてシンプルです。権利収入化を目指すことのできるビジネスモデルとしてMLMを選択し、代理店登録を考えるのであれば、必ずこれら4つの条件を十分に検証していただき、是非とも目標を達成して欲しいと思います。そして、4つ全てを満たすものが存在しなければ、MLMとは縁がなかったと考え、無駄な時間を使うことなく、他の選択肢を考えることも大切です。権利収入は、お金を増やす手段の中でも、最終的に目指すべき素晴らしい収入の形です。決して楽をして実現できるものではありませんが、是非とも自分に合った手段で、権利収入化を目指して欲しいと思います。
MLMで成功するための4つの条件
(1)会社
・自責と信頼のある会社
・ランキング20位以内
(2)商品
・商品が本物である
・商品販売のメーケティング戦略としてMLMを選択
・たったひとつのメイン商品がある
・メイン商品を自分が好きになれる
(3)グループ(組織)
・活動が活発な生きた組織
・自分に合っている組織
(4)スキル
・8割が教育スキル、2割が営業スキル
・本気で取り組む覚悟(メンタル面)
・適性でなければMLMに登録しない選択も大切
4つの条件を全て満たすことが必要
ひとつでも当てはまらない場合は登録しない