リアルビジネスの中でも特に始めやすいのは、セミナービジネスとコンサルティングビジネスです。この2つは誰にでもできるビジネスで、いずれも教育ビジネスに分類されます。私は教育ビジネスのコンサルティングを行っていますが、このような話をすると、人に教育できるような知識やスキルは何もないと言われる方が非常に多いのですが、全くその心配はいりません。セミナーやコンサルティングのテーマの決め方には絶対的な鉄則があり、その鉄則に従うだけで誰にでも実践可能なのです。セミナービジネスの仕組みについては別の記事で解説していますので、もしまだ読まれていない方は、そちら先に読まれることをお勧めします。
それでは、セミナーやコンサルティングのテーマを決める上での絶対的な鉄則について説明します。その鉄則とは、「自分の好きなことをテーマにする」ということです。単純なことのようですが、自分の人生を左右するほどの極めて重要なことです。趣味、好きなこと、興味のあること、得意なこと、と言われて、誰もが何かしら自分の中で思い浮かぶものがあるのではないでしょうか。このような「好きなこと」というのは、人よりも詳しく、人よりも長けています。好きなことだからこそ自分では気付きにくいのですが、間違いなく他人よりも詳しいのです。その時点で、他の人より一歩リードしていますので、講師になれるのです。教え方や話し方がうまい必要は全くありません。教え方や話し方は最低限のレベルで構いませんし、慣れだけでもカバーできてしまいます。大切なのは、テーマ設定です。受講者にとって有益な情報を提供することができれば、それだけで十分に受講者は満足します。有益な情報を与えてくれた講師の知識量に対して、受講者はリスペクトを示します。知識量がリスペクトを引き出し、講師として認めてもらえるのです。知識量は、既に人よりも一歩リードしているわけですから、今から新しい分野を学ぶより、既に詳しい分野、すなわち自分の好きなことをテーマにすべきなのです。余談になりますが、趣味を仕事にするという意味で、私はこれを「趣味業」と呼んでいます。
ビジネスを成功させるためには、唯一無二の条件があります。それは、「続けること」です。途中でやめてしまっては、それで終わりです。ビジネスは決して楽なものではありませんが、諦めずに続けてさえいれば、いずれは必ず成功できます。これまで多くの方を見てきましたが、間違いありません。もちろん、失敗も経験しながら、試行錯誤を繰り返し、一段ずつステップアップしていくものだと思いますが、これも全て続けているからこそ成し得ることで、極論、続けることが全てなのです。ということは、どのようなビジネスであれば自分は続けられるのか、ということになりますが、言うまでもなく自分の好きなことです。好きでなければ、絶対に続けられません。稼げそうだから、という理由でビジネスのテーマを選定する人もいますが、これは間違いです。一時的に稼げたとしても、壁にぶつかった時に必ず続けられなくなります。好きなことでなければ、いずれは続かなくなるのです。これまで、こういう方々をたくさん見てきました。繰り返しになりますが、続けることさえできれば、絶対に成功できます。まずは好きかどうかでテーマを決めるべきです。テーマを決めた上で、そのテーマがどのように顧客需要にフィットし得るかをその後考えるのです。
ここで、教育ビジネスのコンテンツ作る手順についてまとめておくと、以下のようになります。
・自分の好きなことからテーマを設定する
・顧客需要にフィットさせる
・作成したオリジナル商品のビジネス展開を考える
それでは、順を追ってひとつずつ解説していきたいと思います。
①自分の好きなことからテーマを設定する
まずは、自分の好きなことや興味のあることを洗い出してみる作業を行います。趣味がないという人も時々いますが、興味のあることが全くないという人はいないはずです。すぐに思い浮かばない場合は、ヒントとして、本棚と手帳を見てみてください。自分の部屋の本棚にある本は、分野が偏りがちです。つまり、その分野に興味があるということです。手帳には、よくやること、よく行く場所、定期的に行く場所など、傾向が見られるかと思います。また、よく見るテレビ番組などを列挙してみるのも効果的です。これもやはり分野に偏りが出る傾向があります。このように、興味のある分野の洗い出しは、簡単に行うことができます。具体的に、どのように分野が洗い出されるかというと、例えばですが、「旅行、テニス、ワイン、山、映画、ピカソ」というようなイメージです。このように、キーワードが羅列されれば十分です。
②顧客需要にフィットさせる
ビジネスを構築するためには、顧客需要、つまり顧客のニーズにマッチしたコンテンツを作らなくてはなりません。それでは、どのような顧客ニーズに着目すればいいのでしょうか。それは、実は簡単で、ビジネスになる顧客のニーズは2つのタイプしかありません。
・課題を解決すること
・欲を満たすこと
この2つしかないのです。課題は深いほど、欲は大きいほど、単価を上げやすくなりますので、事業構造も安定しやすくなります。そして、どのような分野で課題を解決したり、欲を満たしたりできるコンテンツを作ればいいのかと言うと、対象を個人とするBtoCのビジネスを想定するのであれば、具体的には3つに絞られます。
・お金
・美容、健康
・恋愛、結婚
単価が上げやすいという意味で、この3つに絞って示しましたが、他にも、人間関係、家族、時間、仕事など様々ありますので、状況に応じて適したものを選ぶのがよいかと思います。
また、対象を法人または個人事業者とするBtoBのビジネスを想定するのであれば、具体的には1つに絞られます。
・集客
他にも、人材不足、経費削減、新商品開発など様々ありますので、こちらも適したものを選べばよいかと思います。
ここまでの手順で、自分の好きなことが列挙され、顧客ニーズ、すなわち解決すべき課題や満たすべき欲求が列挙されましたので、次はこれらのマッチング作業を行います。複数ある「好きなこと」と、複数ある「課題・欲」を、パスルのように組み合わせて、ビジネスとして成立するような方程式を作り上げるのです。ここにはもちろんアイデアが必要になりますが、ぜひ時間を使って考えてみてください。私は、ビジネスアイデアクリエイターとして、まさにこのアイデアを生み出す仕事をしています。アイデアを生み出すというだけでもひとつのビジネスになるような壮大な内容ですので、数行の記事で説明することは難しいのですが、イメージしやすいように、ひとつだけ具体例を挙げます。
例えば、好きなことの例として先ほど挙げた「ワイン」をテーマに選び、美容・健康に関わる「ダイエット」を顧客ニーズとして選んだとしましょう。つまり、「ワインでダイエット」ということです。ワインが好きなわけですから、当然ワインには詳しいはずですので、ワインの種類による成分の違いや、体に対する作用の違いについても知識があるでしょう。もしそこまでの知識がなかったとしても、好きなことですので、これから勉強をすればすぐに頭に入るでしょうし、勉強をしていて楽しいかと思います。これらの情報を体系化して整理し、どのような種類、どのような成分のワインを、どのくらいの量、どのタイミングで、どのような食材と合わせて飲むと、脂肪の燃焼に効果があるのか、このように考えていくのです。私はワインに対する知識は全くありませんので、あくまでも考え方を記載しているだけとしてご理解いただければと思います。このようにして作り上げたロジックを基に、本当にダイエットできるのかという検証を行います。まずは自分で検証、もし既にご自身で実践している方法なのであれば、他の人でも同じ効果が得られるかを検証します。これが根拠、実績になります。この「ワインダイエット」という手法こそが、オリジナル商品になるのです。もし可能であれば、この手法に、もう少し独自性のある呼び名を命名して、商標登録するのが望ましいかと思います。また、ワインソムリエのような資格を取得すれば、より信頼度が上がり、ビジネスが軌道に乗りやすくなります。
③作成したオリジナル商品のビジネス展開を考える
オリジナル商品の作り方を解説しましたので、次に、このオリジナル商品を使って、どのようにビジネス展開していくかを考えます。ここでも、ワインダイエットの例で説明したいと思います。ビジネス展開のアイデアを作る部分も、まさに私のビジネスアイデアクリエイターとしての仕事になるのですが、ここでは具体的なビジネス展開の例をいくつか挙げてみたいと思います。よくあるパターンとしては、個人向けのワインダイエットセミナーを開催するというものです。そして、バックエンド商品として、ワインダイエットスクールのようなものを開講します。また、受講生を対象に、あるいはインターネット上で、ダイエットのプログラムに適したワインを販売することで、そこでも利益を上げることができます。更には、BtoBのビジネスに展開させることも可能です。例えば、外食店向けのコンサルティングに繋げるという方法があります。ワインダイエットスクールを運営する講師が、どの料理にどのワインを合わせるとダイエットに効果的かを、外食店のワインリストに記載してPRしたり、ダイエットを意識する顧客用に新たな構成でワインリストを作成したりというコンサルティングも可能なのではないでしょうか。味や香りの視点でのメニュー提案が一般的な中、ダイエットという視点で提案できる仕組みを提供することで、外食店としては新たな顧客層の獲得、既存メニューの売上向上にもつながる可能性があるかと思います。いくつか具体例を挙げましたが、このように、作成したオリジナル商品でビジネス展開していける可能性は無限に広がっています。
ここまで、セミナービジネスやコンサルティングビジネスといった教育ビジネスを行うにあたり、何をテーマとして選び、どのようにビジネスを構築していけばいいのかについて解説してきました。冒頭にも書きましたが、自分には人に教えられる知識やスキルがないという思い込みが原因で、教育ビジネスに興味があっても踏み込めずにいる方が非常にたくさんいます。しかし、趣味、好きなこと、興味のあること、得意なこと、これらがひとつもないという人はいないのではないでしょうか。ということは、誰にでも人に教えられるレベルの知識はあるはずですので、教育ビジネスを行うことはできます。あとは、どのようにテーマを選定し、顧客ニーズとマッチングさせてオリジナル商品を作り、それをビジネスとして展開していくか、ただそれだけです。ぜひとも自分の「好き」を教育ビジネスに活かして、「好き」の輪を世の中に広めていくことを強くお勧めします。
セミナー・コンサルティングのテーマ設定
=自分の好きなこと
続けることさえできれば必ず成功する
<教育ビジネスのコンテンツ作成手順>
①自分の好きなことからテーマを設定する
自分の好きなことや興味のあることを洗い出す
②顧客需要にフィットさせる
顧客ニーズとのマッチング作業を行う
ビジネスになるニーズとは
・課題を解決すること
・欲を満たすこと
→オリジナル商品の完成
③作成したオリジナル商品のビジネス展開を考える
オリジナル商品でビジネス展開するアイデアを作る